ずっと、貴方を呼んでいた。。。見失いそうになる意識の中で、自分はずっと、そのことの意味を自分自身に問うていた。

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さざなみ

Author:さざなみ
2007年の終盤に来て、世紀の大失恋をした私「さざなみ」。。。そしてもう一度同じ彼「どようなみ」に恋をして永遠の片想いライフの日々を送りつつ、いろんな矛盾を感じながら過去と現在を綴っています。(Dec.29,2007)

ブログをちょっとリニューアル、どんな春が来るかしら?と気分もちょっとリニューアル♪(Feb.3,2008)

2つの気持ちを受け止めるエネルギーは、まだまだないから、気分一新、片想いだけど恋するブログ目指します(笑)♪ (Feb.9,2008)

失恋から3ヶ月、良くも悪しくも、こんなに影響を受けるなんて考えられなかった。あんな想いはもういらない。あんなにも無防備に誰かを好きになるなんて、もう懲り懲りと思う。(Mar.2,2008)

『To realize your ideals.』――好きな人に、自信を持って「好き」と言えるように・・・。(Apr.26,2008)

哀しい別れも、心ときめく出会いも、すべてが必然で、生を受けたときから運んできた命。それを “ 運命 ” と呼ぶならば、その大きなうねりに逆らうことなく身を任せて、ここまできたのだろう。いまは、小さな “さざなみ” であるけれど。(Apr.28,2008)

自分の意識では捉えきれていなかったものが、ようやく目に見える形となって私の中に新しい居場所を作っていく。。。(May 29,2008)

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『 Departure 』

...2008 / 08 / 14...

別れの朝は、悲しいくらいに青く透き通った空だった。

目が覚めると、そこはここ数日間に漸く見慣れてきたモスグリーンの部屋ではなく、かと言って勿論自宅の私室でもなく・・・・・自分の身体の上に置かれた誰かの腕に、ああそうだわ、と彼女はゆっくりと顔を上げた。
「おはよう」
いつから起きていたのだろう。隣で横になっている彼は、眼鏡こそ掛けてはいないものの、とてもすっきりとした顔で彼女を見つめている。

別れの朝だった。

新しい一日が、始まろうとしていた。


フライト案内のアナウンスが流れる。
行き交う人々が、また少しだけ急ぎ足になる。
残された時間は、あと僅かだった。

別れるときはいつだってつらい。
一生離れ離れになるわけではなくても、次に会う約束をしていても、それでも今まで繋いでいた大切な人の手を離すのは、身を切られるようにつらく、切ない。
どんなに拭っても溢れてくる涙が、大切な彼の大切な笑顔をぼやけさせてしまう。だったらもっと近くで見れば良い、と彼がその彼女の頬に両手を寄せ、別れのキスを・・・・・そして始まりのキスを唇に落とす。

ここから二人の新しい関係は始まり、そしてまた、ここで静かにその関係は終っていく。

そしてまた、この瞬間から。
二人の更に新しい関係が始まっていくのだ。

今はまだ、自分たちは別々の道を行くけれど。
次に出会うときはきっと。
今度こそ共に歩いていける道を選ぼう。
胸を張って堂々と生きていける道を選ぼう。
だからこれは始まりであり、そして約束の証でありたい。

最後にもう一度二人は互いを抱きしめ、そしてその手を離した。
彼を見上げた彼女の顔は、もう涙の跡など留めていない。
綺麗だ、と彼が言ってくれたその笑顔だけを、彼の記憶の中に刻んでおきたい。だから。


二人がそれぞれの道を歩き始めたこの日は、この時期にしては爽やかな風が吹いていた。


そしてとても―――悲しいくらいに青空で。
まるで次に会う日まで続いているようなそんな・・・・・


遠い果てまでも見渡せる、青空だった。


        **************************


海外へ旅立つ身内を見送って来ました。

私も、旅立たなきゃいけませんか?

明日は満月、暦の上では秋の月。心なしか光が秋色を含んでる?

おかげさまで 【Lisme】 総合3位です♪
(総合ランキング → コレ

60000番のキリ番、近付いてきてま〜す

どうぞ ((ヾ(*´∀`)ノ☆・゚::゚よろしくね♪




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『吾木香〜5』

...2008 / 07 / 04...

電車の中で腕に溢れるほどの吾木香を抱えた彼女は、周囲から散々注目を浴びることになる。

何で自分がこんな恥ずかしい思いをせねばならないのか。
それもこれも彼の、訳のわからない行動の所為だ。

家に帰り着くと、今度は母親の好奇の視線を浴びることになる。

「どうしたの、それ?」

訝しげに問われてもさすがに本当のことは言えず、ちょっと・・・・・と適当に誤魔化して、彼女は母親にそれを手渡した。第一、何を聞かれても、彼女自身が彼の真意を掴み取れていないのだから答えようもない。

余計な詮索から逃れるために、彼女は二階の自室に駆け上がった。

自室に飛び込むと、彼女は上着だけをハンガーにかけて、すぐにバッグの中から例の本を取り出した。ベッドの端に腰掛けて、性急に袋を破って中身を確認する。

「何かしら?」

それは一冊の詩集だった。作者は著名な人物ではないらしく、生憎彼女には全く馴染みはない。意味がわからず、けれど彼女は慎重に表紙に手を掛ける。奥付を見ると、発行日は彼女が生まれるずっと前のものだ。こんな古い詩集を、彼は一体どうしろというのか。

とにかくパラパラと頁を捲ってみる。するとある詩のところで、紙の流れが止まった。



紙の端が折ってある?
頁を折るなんて。こんな所作は彼らしくない。
そう思いながらも、彼女はその詩を読み始めた。

「―――っ!?」




言葉が詰まる。

みるみる涙が溢れてくる。

それはポトリポトリと白い頬を伝って、開いた頁にたくさんの染みを作っていった。

あぁ・・・・・。

なんて・・・・・なんて、貴方、は。





吾木香。

愛しい人よ。

僕は僕の想いをこの花に乗せて。

そして僕の想いを君に伝えよう。

君の、僕に寄せてくれた愛に応えよう。

吾木香。

愛しい君よ。

ワレモコウ。

愛しい君の心からの想いを。


我も請う―――


―――と。



「・・・・・」

声が聞きたい。
今すぐ貴方の声が聞きたい。
溢れ続ける涙を拭いもせずに、彼女は電話に手を伸ばした。



あの日、あの桜の花びらの散る中で。
拾った彼のハンカチを彼に手渡した瞬間、恋に落ちた。
ありがとう、と。
彼が低い声で囁いたあの瞬間から。
あのとき微かに触れ合った互いの指先の熱を、彼は覚えていてくれたのかもしれない。




そして震える指先でボタンを押す。
好きな人に、好き、と伝えるために。


我も請う、と。


伝えるために。



The end☆彡


Thanks a lot with love。:*:;★,。・:*:;☆



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『吾木香〜4』

...2008 / 07 / 02...



そんなこんなで随分遠回りをして漸く駅に着くと、また明日、と手を振る彼女を彼が呼び止めた。

「何?」
「お前にやる」

彼はさっき自らが折った吾木香の花束と、彼女には内緒で購入していた本を差し出した。



「えっ?」

有無を言わさずに押し付けられた花束と本の包みを、彼女は戸惑いながら見下ろした。


二人はここから互いに反対方向への電車に乗る。ということは彼女は一人きりで、この、如何にも勝手に持ってきました、といった風情の花束を抱えて帰路に着かねばならないのだ。

「そんな・・・・・困るわ」

本はともかく、これは絶対に困る。彼から何かを貰えるのは、とても嬉しいことだけれど。でも。

「別に恥ずかしがることはない」

そうではなくて・・・・・と、彼女は大きくため息を吐いた。彼女が躊躇う理由を、彼は本当に思い当たらないのだろうか。それを彼に期待するのは、そもそも誤りなのかもしれない。

もう一度息を吐くと、仕方なく彼女はそれを受け取った。

恥ずかしいのも勿論だけど、正直照れくさくもある。彼から花束なんて、と落ち着いて考えると、急に顔中が赤らんでくるのだ。

ありがとう、と取り敢えず礼を言おうと顔を上げたとき、彼女ははっとそれに気づいた。


そのときの彼の表情は彼女が初めて知る類のもので、だから思わず息を呑み込んでいた。



真剣な面持ちは別段珍しくもないけれど、真っ直ぐに彼女の目を見ようとせずにいるところは、明らかに普段の彼とは異なっている。そもそもこんな行動自体が、彼らしくないのだ。ということはもしかして、自分が気づいていない何かがあるのだろうか、と。

それは何か特別のことのように思えて、だから彼女は口を噤んだ。これ以上何も言ってはいけない。そんな気がした。

内心では困惑しつつも、彼女は、ありがとう、と告げると、そこで彼と別れた。



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次回、最終話。絶対泣かせちゃうわ(´∀`σ)σ YO!




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『吾木香〜3』

...2008 / 06 / 30...

ザッと書棚に目を走らせ、すぐさま目的の本を見つける。

これがあるかどうか、自信はなかった。もしなかったら出版元から取り寄せてもらうこともできるのだが、できれば今日手に入れたかった。

目次の頁を開いてある一章を目に留めると、改めてそこを読んでみる。

以前にも読んだことはあったのだ。そして酷く心を惹かれた。それをこんな風に使おうだなんて、そのときの自分は想像だにしなかったけれど。

周囲に気づかれないようにその頁の端に折り目を付けると、彼はレジへ急いだ。

「もう少し時間はあるか?」

そう言うと、彼はまた、来た道を引き返そうとする。

「別に良いけど・・・・・何?」
「つきあってくれ」

彼は多くを語らない。訳もわからず、だから彼女も彼についていくしかなかった。 足早で歩く彼を、小走りで追う。広い背中を見失わないように。

そうして辿り着いたのは、先ほど見た吾木香の咲く、あの場所だった。



「待っていろ」

胸元に押し付けられた彼の鞄を反射的に受け取り、そして次の瞬間、彼女は大きく目を見張った。

何を思ったか、彼は有刺鉄線の柵を軽々と飛び越えると、吾木香の咲き乱れる敷地の中に入っていったのだ。驚いて、彼女は声を荒げた。

「何!」
「人が来ないかどうか見張っていろよ」

彼女の戸惑いなどさらりと無視して、にべなくそう言い捨てると、彼はいきなり吾木香の茎を手折り始めた。

「・・・・・!」

花粉で服が汚れるのも気にせずに、ぽきぽきと手当たり次第に折っていく。それはすぐ片手いっぱいになった。

「このくらいで良いだろう」

唖然とする彼女を尻目に、彼はまた、入ったときのように柵を超えて戻ってくる。

「・・・・・何やってる・・・・・の?」

信じられない光景に、彼女はそう問うのが精一杯だった。

「花を摘んだんだ」

彼女の驚愕混じりの非難めいた視線を全く無視して、彼は、帰るぞ、と言って、花を抱えたままさっさと歩いていく。
この様子では、何を聞いても答えてはくれなさそうだ。仕方なく、彼女も歩き始めるしかなかった。

その後は一言の会話もなくて。すっきりしない気持ちのまま、彼女は唇を噛み締める。


先に歩く彼の顔にうっすら笑みが浮かんでいるのを、だから彼女は知るはずもなかった。


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『吾木香〜2』

...2008 / 06 / 29...

「ここは夏の間何度か通っただけだからな。何か植えられているのはわかっていたが、これだとは思わなかった」

「今くらいの時期に咲くのよ」

だからわからなくて当然ね、と言ってから、彼女はそのとき初めて、自分たちが未だ手を繋ぎ合っていることに気づいた。意識した瞬間、さっと頬に朱が差す。窺い見た彼は、視線も意識も目の前の吾木香に留めていて、そのことに気づいていないようだった。

もう少しこのままでいても。
ねぇ、神様。
罰は当たらないですよね。

彼女はそっと心の中で祈っていた。
そんな彼女の心情を知ってか知らずか、彼はそのままの体勢を保ったままで話しかけてくる。

「詳しいんだな」
「これのこと?」

内心の動揺を悟られないように、彼女はなるべく冷静に返事する。

「母が生け花を習っているから。だからたまに家に生けてあるのよ」

すると彼は何やら考え込む様で首を傾げていた。
そんなにこの花が気になるのだろうか。花、と言っても、例えばバラやチューリップのように綺麗で華やかな色彩も花弁もない、地味な植物だ。どんなに頑張っても決して主役にはなれない。他の可憐な花の引き立て役といった風情でしかなくて。有体に言ってしまえば、ぱっと見は花どころかただの枯れ草にしか思えない・・・・・そんな花なのだけれど。

「・・・ねぇ?」

その場を動こうとはしない彼に業を煮やして、彼女は呼びかけた。

半ば上の空で、ああ、と頷くと、彼は漸く歩き出した。

手と手は繋がれたままで。
けれど。
二人は、今度こそ明るい大通りにでるまで、互いにその手を離すことはなかった。





彼女は彼のことを、恋愛沙汰に関しては相当不器用で鈍感だと思っているらしい。
彼女の態度の端々から、彼はそう踏んでいた。その推測は間違ってはいないだろう。確かに聡い、とは言い難いが、しかしながら彼女が考えるほど疎いわけでもない。
彼に言わせてみれば、実際、彼女の方が何倍も鈍感だろうに。
彼女はとにかく無防備なのだ。
本人は自覚していないか、もしくはうまく隠しているつもりなのだろうが、彼女の瞳の中にはありありと捉えることができる。


彼への想い。


けれど彼は、彼女の寄せてくる想いに対して答える術をまだ知らなかった。
それに彼女は自分の素直な気持ちを表に出すことに酷く怯えて、躊躇っているように思えて。だからどうしてもその一言が口に出せずにいた。


彼女に。



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